尺八演奏家、上野宏秀山氏の文化交流使就任について

 
  1.文化庁は6月9日、シンガポール在住の尺八演奏家、上野宏秀山(うえのこうしゅうざん)氏(略歴別添参照)を新たに「文化交流使」に指名しました。文化庁では、平成15年度より、芸術家、文化人、研究者等、文化に携わる人々を一定期間「文化交流使」に指名し、日本文化に対する国際的理解の一層の深化につながる活動を展開しており、今回、上野氏をはじめ、10名の個人、5組の団体が新たに「文化交流使」に指名されました。


2.上野氏は、平成元年よりシンガポール在住。シンガポールを拠点に東南アジア各地で尺八の演奏活動を行い、シンガポールシンフォニーオーケストラ、シンガポールチャイニーズオーケストラと共演し、世界音楽祭等に出場される傍ら、NTU(南洋理工大学)/NIE(国立教育学院)にて音楽の教鞭を取っておられます。上野氏より日本の音楽を学び、卒業後シンガポールの小中学校の教師として活躍する教え子は数百人を数えます。


3.上野氏は、平成21年1月〜3月の3ヶ月間、文化交流使として、シンガポールの学校、地域コミュニティセンター等での邦楽器の実演奏及びワークショップを通じて、日本の伝統芸能、古典音楽全般をシンガポール社会に紹介することを予定しています。

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上野 宏秀山[うえの こうしゅうざん](尺八演奏家)
【生年月日】 1953年8月17日
【出 身 地】 北海道
【在 住 国】 シンガポール
【主な役職】 (財)都山流尺八楽会大師範


1977年 慶應義塾大学工学部を卒業。渡米し、米国のコンテナリース会社に就職。
1989年 10年間の東京勤務の後、シンガポールに転勤。
1991年 独立し、シンガポールにて物流会社Orient Tainers Pte Ltdを経営。
1995年− NIE(シンガポール国立教育学院)にて音楽教職課程の学生に日本の音楽を教え、現在はNTU(シンガポール国立南洋理工大学)/NIE教育学部舞台芸術音楽学科の客員教授として音楽の教鞭を取る。専門は東洋と西洋の比較音律論、古典音律論。


14歳で尺八を始め、最初は民謡を習い、その後京都に本部を置く都山流尺八楽会に入門、都山流より「大師範」の称号を授与される。尺八を八木宏山、人間国宝山本邦山に師事する。


唯一の日本以外のアジア在住尺八演奏家であり、シンガポールを拠点に東南アジア各地で尺八の演奏活動をする傍ら、シンガポール人の若い尺八演奏家の育成に励む。日本の音楽を学び、NTU/NIE卒業後シンガポールの小中学校の教師として活躍する教え子たちは数百人にのぼる。シンガポールシンフォニーオーケストラ、シンガポールチャイニーズオーケストラとの共演、世界音楽祭(WOMAD)出場等を果たす。今後は三味線プロ奏者の上原潤之助、箏プロ奏者の五十川真子と組んだ邦楽ユニット“ザ 福の音”のメンバーとして東南アジアを中心に演奏活動をする予定。


シンガポール北海道道産子会会長、北海道旭川市観光大使でもある。