掲載:2010年6月
ご来賓の皆様、そして会場の皆様、こんにちは。
今日は、直接お会いできなくて、とても残念です。このようなすばらしい賞をいただいて、本当に嬉しく思っています。これは私の力だけではなく、先生方といつも私のそばにいてくれた友達や両親のおかげです。今、私は全ての人に、心から感謝しています。
私は小さいころ、Kids Channelで放送されていた日本のアニメポケットモンスターやカードキャプターさくらなどに夢中でした。そして夢はセーラームーンになることでした。大きくなってそれは不可能だと気づきましたが、中学生になってとりあえずセンターで日本語の勉強を始めました。センターでは言葉だけではなく、日本の文化や社会を理解する機会もたくさんあります。
私は2008年にLEPの交流プログラムで日本に2週間滞在しました。学校体験で一番印象に残っていることが漢文の授業です。その授業では、中国の詩を日本の方法で勉強していて、いろいろな新しい発見をしました。また、家庭科で、ごはんと魚の照り焼きを作って食文化に触れられたことも、とても勉強になりました。学校に行く途中に、私は初めて日本のラッシュアワーの電車も体験しました。ホストの子と一緒に学校に行った時、シンガポールと同じかなと思っていた私はひどくショックを受けました。まさか自分が噂どおり電車に押し込まれるなんて思わなかったのです。しかも、倒れるスペースもないくらい混んでいるんですよ。大変だったけれども、今思い出せば笑えます。
センターで勉強を始めたとき、シンガポールで日本語を話す機会がなかなかないからオーラル試験と聴解試験が一番大変でした。そこで私はセンターで宣伝されている「日本語で遊ぼう!」や年に一回の日本語スピーチコンテストなどのイベントに積極的に参加しました。そこで大切な仲間たちに出会えて、センターではあまり出来なかった日本語の発音練習もたくさんしました。最初、私は軽い気持ちで「作文を書くだけで、落ちても紀伊国屋のバウチャーがもらえるって話良すぎるんじゃない?!」と思いながら作文を書いて送りました。でも、参加したのは本当に正解でした。日本人会で紹介してもらったチューターの方の指導でスピーチがだんだん上手になり、最後は2位の賞をもらえました。ちなみに、私は3回もスピーチコンテストに参加しました。苦手だったオーラル試験を克服できたのはこのコンテストのおかげです。
実は、私は優等生なんかではありません。今はよく覚えていませんが、友達によると私は日本語の勉強を始めてから、二年ぐらいはあまり上達していなかったようです。ちょうどう3年生のとき私は日本のドラマに夢中になり始めて、そして嵐というグループを目にしました。それから、日本語の成績が一気に上がったそうです。
さて、ここで私の聴解試験の高得点できるヒミツをお教えします。毎日一時間、好きな日本のテレビ番組を宿題しなくても、あっ間違っちゃった、宿題が終わってから見ましょう。なるべく字幕なしで、あるいは日本語の字幕で見ましょう。私の場合はたくさんのドラマと嵐のバラエティー番組を見ました。よく聞いて、知らない表現があったら辞書を引いて使い方を覚えました。テレビ番組の人はセンターの録音より話すペースが早いし、発音もそんなにはっきりしていません。なので聞きなれたら、センターの聴解テストはきっと大丈夫です。それだけです。
この6年間、週2回に学校の授業がおわったあと、疲れていてもBishanに行くことを楽しみにしていました。それは、中学校一年生から一緒にいた友達もいて、学生のためにセンターがしまっていてもJunction 8でコースワークの相談をしてくださる先生もいて、一緒に日本へ行って交流プログラムの面倒を見てくださる先生もいるからです。今、私はいつもそばにいてくれたこの人たちに、『ありがとう』と言いたいです。
そしてセンターで勉強している皆さんに、伝えたいことがあります。どんな外国語を習う場合でも、その言葉が実際に話されている国へ行くことは本当に大切です。シンガポールでは使う機会がなかなかないので、その言葉を身につけるのは大変です。ですから、もしチャンスがあったら、ぜひつかまえてください。私も、こういうチャンスを捕まえました。小さいころ憧れていた未来を歩き出しました。セーラームーンにはなりませんが、6年間勉強した結果、文部科学省の奨学金で日本で進学することになりました。ですから今日は直接、皆さんとお話しできません。
最後にこれが私の一番好きな歌詞です。聞くといつも励まされます。
「がんばるさ!近道はない明日のために 今日がある」
近道はありませんが、楽しければ勉強が楽になると思います。教室に限らず、言葉を勉強できる方法はたくさんありますので、どうか自分の好きな方法を見つけて、語学を楽しんでください。歌でも、漫画でも、必ずいい刺激になると思います。がんばってください! 来年センターからの後輩に日本で会えたらうれしいです。
ありがとうございました。
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