※ 本情報は、シンガポールに滞在されている方のために当館で要点をまとめた参考情報です。
※ シンガポール政府の最新の対応については、シンガポール保健省(Ministry of Health)のホームページ(http://www.moh.gov.sg/mohcorp/default.aspx)を必ずご確認ください。
シンガポールで新たに82名の感染が確認され、累積数783名となりました。
シンガポール保健省はコミュニティ感染確認国への渡航自粛アドバイスを撤廃しました。
また、「封じ込め」対策から「症状軽減」対策へ徐々に転換することを発表しました。
(1)世界保健機関(WHO)による新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルは、6月12日に引き上げられたフェーズ6が維持されています。シンガポールの警戒レベルは、5月11日に引き下げられた黄色から変更がありません。
(注)警戒レベルについて、詳しくはhttp://www.crisis.gov.sg/FLU/をご参照下さい。
(2)7月1日夜の保健省の発表によると、新たに82名の感染が確認されました。6月30日に調査が行われた57事例のうち、41名が国内感染で、16名が国外から持ち込まれたことが確認されています。これでシンガポールにおいて確定した感染者数は783名となりました。現在のところ、ほとんどの感染者の症状は軽度で、これまで既に300名の感染者が回復し、残りの感染者も回復傾向にあります。
新たに国内で感染が確認された41事例の感染場所は以下のとおりです。なお、括弧内は累積数です。
- Clementi Camp(軍施設):2事例(57)
- Republic Polytechnic(高専):8事例(86)
- Butter Factory(ワンフラトン内にあるクラブ):1事例(43)
- Maju Camp(軍施設):0事例(23)
- テコン島Camp(軍施設):0事例(8)
- 海外渡航者との接触歴による感染:3事例(16)
- Police Coast Guard(Brani Base)(沿岸警備隊ブラニ基地):1事例(6)
- NUS Orientation Camp(シンガポール国立大学):0事例(7)
- Fishermen of Christ Church:0事例(13)
- パーティ:0事例(4)
- Riverlife Church:0事例(10)
- Workplace(職場):0事例(2)
- Raffles Institution Boarding(全寮制学校) :0事例(4)
- Jurong Camp(軍施設):5事例(5)
- 不明:21事例(108)
(3)保健省はコミュニティ感染が発生している国と感染が確認されているいくつかの国の累積数をホームページに掲載していますが、6月29日より、日本を含む特定の国に対して発出していた渡航情報(渡航自粛アドバイス)を撤廃しました。これに代わり、海外渡航を計画する場合は、新型インフルエンザに関する最新情報を入手するとともに必要な予防措置をとり、帰国後7日以内にインフルエンザの症状が出た場合は速やかに救急車を呼ぶよう呼びかける、という一般的な注意喚起が発出されました。今回の方針転換について保健省は、シンガポールを含む全世界で多くの感染事例が報告されているため、渡航自粛アドバイスを維持することは無意味になりつつあると説明しています。
(4)1日、保健省は、新型インフルエンザ感染は国外感染から国内コミュニティ感染へと移行しつつあるとの認識を示し、また、感染が疑われる事例に対する検査では全体のわずか5%のみが陽性と判断されている状況をも踏まえ、新型インフルエンザ対策を「封じ込め(水際)対策」から「症状軽減対策」に徐々に転換することを明らかにしました。コミュニティ感染の拡大を鈍化させる対策は引き続き行われますが、ターゲットをより絞った、重症度分類方式に基づく対策が取られることになります。現在は対策転換の「移行期」として位置づけられており、以下の措置が取られることになりました。
①感染疑い者全員が指定病院に行く必要はなく、保健省よりPPC(Pandemic Preparedness Clinic)として登録されたポリクリニック及び一般医のクリニックで診断、治療を受けることができる。
②症状が非常に軽度と判断される場合は、入院せず自宅隔離とする。
③医者は患者の症状及び他のリスク要因を考慮して指定病院に搬送するかを判断する。入院は重症患者のみに限られる。
(5)6月23日、シンガポール教育省は、同月29日からの学校再開に当たり、22日以降、WHOが継続的なコミュニティ感染が発生していると考えている国から帰国した学校スタッフ及び生徒については7日間の自宅待機を行うよう求める旨の通達を発出しました。保健省の方針転換を受け、この通達も今後変更になる可能性があります。
(6)6月26日、シンガポール人材開発省(MOM)とシンガポール全国雇用者連盟(SNEF)/シンガポール・ビジネス連盟(SBF)、全国労働組合会議(NTUC)の3者は、4月30日に発出した「職場における新型インフルエンザ対策に関する3者指針」の改訂を発表しました。同改訂は感染拡大のスピードを遅らせ、ビジネス及び従業員への影響を最小限化することを目的に、①職場への影響の最小限化、②感染予防策の徹底、③休暇の取り扱い について求めています。
(7) なお、空港、フェリーターミナル、陸路のチェックポイントでは、引き続き全ての入国者を対象に体温検査が行われています。
WHOの発表している6月29日時点の情報によると、ブルネイで29名、カンボジアで6名、インドネシアで8名、ラオスで3名、マレーシアで112名、フィリピンで861名、タイで774名、ベトナムで84名の新型インフルエンザの感染者がそれぞれ確認されております。
(注)詳細及び最新の情報につきましては、以下のウェブサイトをご確認下さい。
・外務省海外安全ホームページ(感染症広域情報)http://www.anzen.mofa.go.jp/
・WHOホームページ http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/
高熱(38度以上)や咳等インフルエンザの症状が疑われる方は救急車(電話番号:993)に電話し、当国指定病院であるタントクセン病院(Tan Tock Seng Hospital)、また6月11日以降、16歳以下の子供と妊娠24週間以上の妊婦はKK病院に直接搬送されます。
7月1日の保健省の発表によると、今後、保健省よりPPCとして登録されたポリクリニック及び一般医のクリニックにおいても診断、治療を受けることができます。最寄りのPPCについては以下のウェブサイトをご確認下さい。なお、保健省は、妊娠中、ガンの治療中あるいは腎臓透析を受けている方については、かかりつけの専門医に連絡するよう助言しています。
・健康促進庁(HPB)ホームページ http://www.street-directory.com/hpb.ppc/
シンガポール政府は、115万人分のタミフル、5万人分のリレンザを有し、外国人を差別することなく治療する旨述べています。万一感染者が発生した場合、感染が拡大しないよう、全ての公的病院及びPPCでタミフルが処方されます。
今回の新型インフルエンザに関して、緊急のお問い合わせの際には、携帯電話(9139-5668)までご連絡願います。なお、平日の午前8時30分から午後5時15分までは大使館の代表電話までご連絡願います。
- 以下の点に留意し、感染防止に努めてください。
(1)十分な水・食糧の備蓄を行い、不要不急の外出は控える。
(2)外出する際は人混みを避ける。また、咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、マスクを着用する。
(3)積極的に手洗いやうがいを行う。
(4)ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に手で触れない。
(5)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、医療機関を受診する。
- 高熱や咳等インフルエンザの症状が疑われる場合は、マスク着用の上、速やかに医師の診断を受けるようお願いします。医療機関を訪問される方は、院内感染防止のため、事前に電話連絡の上、医療機関を訪問されるようお願いいたします。また、新型インフルエンザに罹患していると医師の判断がなされた場合、当館へのご連絡をお願いいたします。
- 日本国内の感染発生状況及び感染防止対策については、厚生労働省ホームページ(http://www-bm.mhlw.go.jp)及び感染発生地域の地方自治体(大阪府、兵庫県、神戸市等)のホームページ等より最新情報を入手するようお願いいたします。
- 当館では、引き続き状況を注視して情報収集に努め、関連情報を迅速に大使館HPに掲載し、同時に、当館に登録頂いているメールアドレスに送付致します。在留邦人の皆様におかれましては、事態の推移に注視し、関連報道をチェックするとともに、冷静に対処して頂くようお願いします。
(了)
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