(重要)新型インフルエンザの発生について(その43)

※ 本情報は、シンガポールに滞在されている方のために当館で要点をまとめた参考情報です。
※ シンガポール政府の最新の対応については、シンガポール保健省(Ministry of Health)のホームページ(http://www.moh.gov.sg/mohcorp/default.aspx)を必ずご確認ください。


**変更・追加点**
シンガポールで新たに26名の感染が確認され、累積数168名となりました。
シンガポール政府は水際対策を継続していますが、国内でのコミュニティ感染は時間の問題と評価しています。


  1. シンガポールの状況と対策
    (1)世界保健機関(WHO)による新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルは、6月12日に引き上げられたフェーズ6が維持されています。一方、シンガポールの警戒レベルは、5月11日に引き下げられた黄色から変更がありません。シンガポール保健省によるとコミュニティ内での感染が拡大しない限り警戒レベルを引き上げることは考えていないとのことです。
    (注)警戒レベルについて、詳しくはhttp://www.crisis.gov.sg/FLU/をご参照下さい。



    (2)シンガポール保健省は、現時点では水際対策を継続していますが、今後国内感染が増えれば水際対策を緩和し、国内感染の追跡を優先することにしています。国内感染の事例が増加するのは時間の問題で、その場合、コミュニティ感染の開始を示すことになろうと評価しています。



    (3)国内の感染は、シンガポール保健省によると、22日夜時点で新たに26名(9名が国外から持ち込まれた、17名が国内での感染)が確認されました。これでシンガポールにおいて確定した感染者数は168名となりました。


    • (イ)国外から持ち込まれた9事例の渡航歴はオーストラリア、フィリピン、英国、米国、カナダの5か国です。



      (ロ)新たに国内で感染が確認された17事例のうち、家族からの感染1事例、海外渡航者との接触歴による感染2事例、原因不明の2事例を除く12事例の感染場所は以下のとおりです。


      • リバーライフ教会(Pasir Ris):2事例
      • バターファクトリー(ワンフラトン内にあるクラブ):1事例
      • フィッシャーマンキリスト教会主催のプリンス・ジョージ公園で行われたキャンプ(NUS内):9事例


    (4)また保健省によると、これまで確認された168事例のうち、127事例が国外から持ち込まれ、41事例が国内で感染が確認されています(そのうち、29事例がコミュニティ間での集団発生、5事例が家族間での感染、7事例が感染源不明)。


      (イ)国外から持ち込まれた127事例の渡航歴は以下のとおりです。


      • オーストラリア:56事例
      • 米国:26事例
      • フィリピン:27事例
      • タイ:5事例
      • カナダ:3事例
      • 英国:6事例
      • インドネシア:2事例
      • チリ:1事例
      • ヨーロッパでのクルーズ中:1事例



      (ロ)コミュニティ間での集団発生29事例の感染場所または感染原因は以下のとおりです。


      • リバーライフ教会(Pasir Ris):9事例
      • バターファクトリー(ワンフラトン内にあるクラブ):5事例
      • CISCO:3事例
      • 社会的接触:2事例
      • フィッシャーマンキリスト教会主催のプリンス・ジョージ公園で行われたキャンプ(NUS内):10事例



    (5)保健省によると、これまで感染が確認された168名のうち56名は既に退院し、入院中の残り112名の状態も安定しているとのことです。



    (6)保健省は13日以降、シンガポール独自の「感染地域」の指定を廃止し、WHOの最新情報をもとに継続的なコミュニティ感染が発生している国と感染が確認されているいくつかの国の累積数をホームページに掲載しています。そして、WHOが継続的なコミュニティ感染が発生していると考えている国(米国、メキシコ、カナダ、チリ、オーストラリア、英国、アルゼンチン、日本、タイ、スペイン、フィリピン、パナマ、ドミニカ)への渡航が不可避である場合は必要な予防措置を取るようアドバイスし、これらの国から帰国後7日以内に体調不良を感じた場合は、救急車(電話番号:993)を呼ぶよう呼びかけています。ただし、これらの国からシンガポールに入国する方に対しては、他の国・地域からの入国者と同様、空港での体温検査以外の特別な措置は行われていません


    (7)空港、フェリーターミナル、陸路のチェックポイントでは、引き続き全ての入国者を対象に体温検査が行われています。



  2. 近隣諸国(東南アジア)の状況
    WHOの発表している22日時点の情報によると、ブルネイで1名、ラオスで2名、マレーシアで23名、フィリピンで344名、タイで589名、ベトナムで35名の新型インフルエンザの感染者が確認されております。
    (注)詳細及び最新の情報につきましては、以下のウェブサイトをご確認下さい。
    ・外務省海外安全ホームページ(感染症広域情報)http://www.anzen.mofa.go.jp/
    ・WHOホームページ http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/


  3. シンガポールの指定病院
    これまで高熱(38度以上)や咳等インフルエンザの症状が疑われる方は救急車(電話番号:993)に電話し、当国指定病院であるタントクセン病院(Tan Tock Seng Hospital)、また6月11日以降、16歳以下の子供と妊娠24週間以上の妊婦はKK病院に直接搬送されていましたが、6月22日のコー・ブンワン保健大臣の発表によると、今後は全ての公的病院で診断、治療を受けることになります。


  4. シンガポール政府のタミフル供与に対する考え方
    シンガポール政府は、115万人分のタミフル、5万人分のリレンザを有し、外国人を差別することなく治療する旨述べています。万一感染者が発生した場合、感染が拡大しないよう、全ての公的病院でタミフルが処方されます。


  5. 当館の連絡先
    今回の新型インフルエンザに関して、WHOが継続的なコミュニティ感染が発生していると考えている国に渡航歴があり高熱等インフルエンザの症状が疑われる等の緊急のお問い合わせの際には、携帯電話(9139-5668)までご連絡願います。なお、平日の午前8時30分から午後5時15分までは大使館の代表電話までご連絡願います。

在留邦人の皆様へのお願い

  1. 以下の点に留意し、感染防止に努めてください。
    (1)十分な水・食糧の備蓄を行い、不要不急の外出は控える。
    (2)外出する際は人混みを避ける。また、咳やくしゃみ等による感染を防ぐため、マスクを着用する。
    (3)積極的に手洗いやうがいを行う。
    (4)ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に手で触れない。
    (5)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、現地の医療機関を受診する。


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  3. WHOが継続的なコミュニティ感染が発生していると考えている国を訪問する方で、帰国後7日以内に38度以上の高熱が出た場合は、マスク着用の上、速やかに医師の診断を受けるようお願いします。医療機関を訪問される方は、院内感染防止のため、事前に電話連絡の上、医療機関を訪問されるようお願いいたします。また、インフルエンザに罹患していると医師の判断がなされた場合、当館へのご連絡をお願いいたします


  4. 日本国内の感染発生状況及び感染防止対策については、厚生労働省ホームページ(http://www-bm.mhlw.go.jp)及び感染発生地域の地方自治体(大阪府、兵庫県、神戸市等)のホームページ等より最新情報を入手するようお願いいたします。


  5. 当館では、引き続き状況を注視して情報収集に努め、関連情報を迅速に大使館HPに掲載し、同時に、当館に登録頂いているメールアドレスに送付致します。在留邦人の皆様におかれましては、事態の推移に注視し、関連報道をチェックするとともに、冷静に対処して頂くようお願いします。


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(了)