シンガポール国際水週間においてネットワーキングイベントを開催
−水ビジネスでの日本企業・団体の活動を支援−

 
  6月23日(火)、シンガポール国際水週間(Singapore International Water Week 2009:SIWW2009)において、The Reception & Networking @ Japan Pavilionを開催しました(開催概要は別記をご参照ください。)。

近年、国内外で水問題・水ビジネスに対する関心が高まっています。本年に入って、わが国においても「チーム水・日本」などに代表されるように、産官学が連携して国際的な水問題の解決や水ビジネスの海外展開の推進に向けた機運が盛り上がってきています。一方、シンガポールは、NEWaterなどの成功により世界各国から注目を集めており、SIWWには水問題に関する高官や水ビジネス関係者が多く参加しています。今回のイベントは、このような機会を捉え、日本の企業・団体の海外での活動を支援するために開催したものです。



山中大使による挨拶



日本水フォーラム・藤原理事による森喜朗元総理・日本水フォーラム会長からのメッセージ代読(写真:日本水道新聞社提供)






レセプション全景



国土交通省・上総水資源部長によるスピーチ


当日は、山中大使による挨拶に続き、主賓である上総周平・国土交通省水資源部長がスピーチを行い、「チーム水・日本」による取組などが紹介されました。また、今回のイベントに対して特別に頂戴した、森喜朗・元内閣総理大臣、日本水フォーラム会長からのメッセージが披露されました。

会場となった「日本パビリオン」には、内外の官民関係者160名以上が来場しました。会場では、日本企業・団体の最新技術・製品が紹介されるとともに、積極的な意見交換・交流が行われました。また、来場者には、お帰りの際、日本企業・団体の活動を紹介するパンフレットやグッズの入った袋をお渡しし、日本の取組への理解をさらに深めていただけるようにしました。

今回のイベントが、水ビジネスにおける日本の国際展開に寄与することを願っております。
大使館では、今後も、このような機会を通じて、日本の企業・団体の活動を積極的に支援していきたいと考えております。
 





別記1:イベントの概要
別記2:山中大使による挨拶
別記3:国土交通省・上総水資源部長によるスピーチ
別記4:森喜朗・元内閣総理大臣、日本水フォーラム会長からのメッセージ





別記1: イベントの概要


日時: 2009年6月23日(火) 16:30-
場所: 「日本パビリオン」(SIWW2009 Water Expo内)
参加者: 我が国の水ビジネス・水問題に係る官民関係者
シンガポール政府・民間企業幹部
海外の水ビジネス・水問題に係るハイレベルな関係者(SIWW2009におけるWater Leaders Summit参加者のみを招待。)
主催: 在シンガポール日本国大使館
特別協賛: 下水道グローバルセンター、東レ、日東電工、日立プラントテクノロジー、メタウォーター (五十音順)
協賛: 田中金属製作所
 



別記2: 山中大使による挨拶


Mr. Shuhei Kazusa, Director-General, Water Resources Department, Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism,
Distinguished Guests,
Ladies and Gentlemen,

Good evening. Welcome to the Reception & Networking at Japan Pavilion. This special event is organised by the Embassy of Japan in Singapore, and supported by Hitachi Plant Technologies, Japan Global Centre for Urban Sanitation, Meta Water, Toray, Nitto Denko and Tanaka Metal Factory. We are very proud to host this event at Singapore International Water Week 2009.

Water is essential for our life, and indispensable for human security. Water is therefore a key factor to achieve sustainable development. The Japanese Government and private sector are working together to tackle water management and other global water issues. And it is in this context that we are organising this special networking event and we established earlier this year “Team Water Japan”, a new all-Japan framework for our joint efforts.

Today, we have more than 100 people, government officials, businessmen and professionals, from all over the world. I hope you mingle and meet with new friends and partners. And don’t forget that you are in the Japan Pavilion where you can find the most advanced water technology and know-how developed by the Japanese companies and institutions. I hope this event will serve as a launch pad for many new collaborations and partnership in the coming years.

There are also some sushi and sake from Japan served here to ease your exchange and networking today. So please enjoy the rest of the evening.

Thank you.





別記3: 国土交通省・上総水資源部長によるスピーチ


「シンガポール国際水週間2009」の日本国大使館主催レセプション開催に際し、山中大使をはじめ、ご参加の皆様を前に挨拶の機会を得たことを非常に嬉しく思います。

皆様既にご承知のように、水問題の解決は人類が発展していくために必要不可欠な事項です。安全な水の確保は、人の健康を維持することはもちろんのこと、貧困や飢餓の削減、保健など、「人間の安全保障」の点でも極めて重要です。
また、新たな問題として、「気候変動」への適応に取り組んでいく必要もあります。IPCC報告書では、「Water impacts are key for all sectors and regions」と指摘しています。

また昨日、10ヶ国・地域が集まり開催された「第7回アジア太平洋地域インフラ担当大臣会合」においても、総合水資源管理の促進や、水災害リスクへの適応策の重要性が確認されました。

現在日本では、我が国の有する水関連技術を、世界の水問題解決に役立てるため、産官学一丸となって取り組んでおります。
今年1月、日本において、「チーム水・日本」としての活動が始まり、現在19の行動チームが水問題解決に向けて活動しています。
また、 行動チームの活動を横断的に支援する「水の安全保障戦略機構」が設立されています。政府も、関係省庁一体となり、活動を支援していく体制を整えました。
このようにあらゆる分野の人々が集まり、皆の叡智を結集し、国内外の水問題解決に取り組み、持続可能な未来を実現していくのが、まさに「チーム水・日本」であり、今後活動が更に発展するよう連携を深めてまいります。

このような中、日本の水関連技術を世界に発信する絶好の機会である「シンガポール水週間」が開催されています。本日ご参加の海外の方にも是非お伝えしたいのですが、日本企業は、高い技術力を有し、日本の水問題解決にも高く寄与しています。これらの技術を用いることによって、海外の水問題の解決にも大いに貢献できると考えます。

この「シンガポール水週間」の機会を通じて、日本からの参加者と海外からの参加者のネットワークが広がり、水ビジネスにつながり、ひいては水問題の解決に向かうことを祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。





別記4: 森喜朗・元内閣総理大臣、日本水フォーラム会長からのメッセージ


この度は、日本の取組をアピールするとともに、ネットワーキングの機会を提供することを目的とした、在シンガポール日本大使館主催レセプションの開催に際し、日本大使館をはじめ、協賛の方々のご尽力に対し、心から感謝申し上げます。

水は、あらゆる生命の源です。人間の生命・健康の維持はもちろん、生態系の保全や経済社会活動に不可欠な資源であり、人間の安全保障を実現する基礎となるものであります。水の循環を上手に管理し、貴重な水を大切に使っていくこと、これが今後の水の持続的利用の鍵と考えています。世界の水問題の解決のために、日本は一丸となって、水を賢く使うことなど、これまで培ってきた知見と技術を世界と共有し、国際社会と連携・協働していきたいと考えています。

水問題は極めて多岐な分野に亘っているため、関係するステークホルダーも多種多様であり、時に立場の違いから複雑な利害関係が生じることもあります。これらを乗り越えて、皆が力を合わせるためには、政治的な意志が極めて重要であります。我が国では、政治的リーダーシップの下、政府のみならず、学界、産業界、市民社会が緩やかに連携しつつ、一体となって水問題に取り組む「チーム水・日本」が結成され、活動を始めております。今回のシンガポール国際水週間においても「チーム水・日本」が積極的に活動を展開しております。

本日のこの日本大使館主催のレセプションも、まさに官民が協力して国際交流・協力活動を促進する絶好の機会となると確信しております。本日お集まりの皆様方が、交流を深め、日本の技術を理解していただければ幸いに存じます。そして、世界の水問題解決のための新たな事業やネットワークが形成されることを期待しております。最後に、ご参集の皆様方の今後のご活躍を祈念しております。

2009年6月23日
日本水フォーラム会長 森喜朗