シンガポール日本商工会議所2010年年次総会における山中大使来賓挨拶

 

シンガポール日本商工会議所(JCCI)2010年年次総会に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。


JCCIは、シンガポールにおける多くの日本企業を束ねる組織として、両国関係の発展に大きく寄与してこられました。先の報告にもあったと思いますが、特に、昨年はJCCI創立40周年を迎え、12月にはその記念行事としてリークァンユー内閣顧問を招いた講演会も盛大に開催されました。また、シンガポールの文化、スポーツ、芸術団体等への毎年の寄付・表彰などを通じて、JCCIはシンガポール社会に多大な貢献をしてこられています。


40周年という節目の年におけるJCCIの様々な活動について、これを立派に推進してこられた野木前会頭をはじめ、役員、会員の皆様に心より敬意を表したいと思います。また、これまで大使館が賜りましたご支援とご厚誼に対しまして、この機会に厚くお礼を申し上げます。 そして、本日新たに選任されました会頭の紀(きの)さん、副会頭の吉川さん、佐藤さん、加藤さん、右田さん、日下さん、そして新しい理事の皆様に対しまして、御祝いを申し上げますとともに、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げる次第であります。


さて、最近の金融危機による世界同時不況は、シンガポールをはじめ東アジアにとっても厳しい状況を現出しました。他方、昨年後半からは回復の兆しが見え始め、特にアジアは今や世界経済の牽引役として堅調な経済回復をみせております。このアジアの成長を着実なものとしつつ、アジアの成長を日本の成長につなげるためにも、一層の地域経済統合を推進して、引き続き域内の構造改革や貿易・投資の自由化を進めていくことが重要であります。先月末に東京で開催された「アジア大洋州大使会議」でも、また、昨日経団連が主催した「アジア・ビジネス・サミット」でも同様の指摘があり、官民連携の重要性が強調されております。アジアが成長する過程では、ここシンガポールがその重要拠点の一つとなります。大使館といたしましては、JCCIのご意見やご協力を賜りながら、当地における一層の官民連携に取組んで参りたいと考えています。


今年は7月に、在ASEAN諸国の日本商工会幹部、駐ASEAN日本大使、ASEAN事務局のスリン事務総長に当地シンガポールにご参集いただき、この地域の官民連携のあり方やビジネス環境の向上に向けた対話を行うことを予定しております。また、昨年11月に両国首相ご臨席のもとオープンした「ジャパン・クリエーティブ・センター」では、官民連携のもと日本のソフトパワーの発信に努めて参りたいと存じます。この関連で、先週末成功裏に開催された「津軽三味線コンサート」にはJCCIから貴重な資金援助をいただきました。この場をお借りして改めて、お礼申し上げます。このような活動では、JCCIのご理解とご支援が引き続き不可欠でありますので、今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。


最後になりましたが、本日新しく選任されました紀会頭、副会頭ほか役員の皆様の下で、JCCI及び会員企業が益々発展され、成功をおさめられますよう祈念いたしまして、私の挨拶とさせて頂きます。ありがとうございました。