2009年山中大使より新年のご挨拶

 

新年明けましておめでとうございます。


早いもので私がシンガポールに着任してから既に一年余が経過致しました。この間、日シンガポール関係は、政治、経済、文化などあらゆる面での活発な交流を通じて、順調に発展してきています。


現在世界は未曾有の金融・経済危機のさなかにあり、その見通しにも極めて厳しいものがあります。しかし、このような危機のときこそ、新たな飛躍、創造及び協力のための機会と捉える発想が重要であります。アジアが世界の成長と安定にとって益々重要な役割を担いつつある中で、日シンガポール、日ASEANの一層強力なパートナーシップが求められています。我が国は、ASEANの更なる統合・発展への努力を積極的に支援してきており、昨年12月に発効した日ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)や、昨年6月にジャカルタに設立された東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)の活動等を通じて、ASEAN諸国との経済関係の更なる深化、アジア地域の一層の発展に貢献してまいります。


また本年は、日シンガポール関係にとって非常に重要な年になります。まず、本年は「ジャパン・クリエイティブ・センター」の設立が予定されており、「イノベーションと伝統(トラディション)」をテーマに、ポップ・カルチャー、伝統芸術など日本のソフト・パワーを発揮する事業を積極的に展開していきたいと考えています。また、本年はシンガポールが、そして来年は日本がアジア太平洋経済協力会議(APEC)の議長国となることから、金融危機や世界経済の減速、WTOドーハ・ラウンド交渉の行き詰まりやエネルギー・食料価格の高騰と急落といった状況下、アジア太平洋地域の経済の安定と健全な発展、貿易と投資の促進といったAPECの課題について、シンガポールとの間でこれまで以上に緊密に協力・連携していきたいと考えています。


このように重要な節目を迎える本年ですが、大使館としても、日シンガポール関係、日ASEAN関係の一層の強化に向け、引き続き全力で取り組んでいく所存です。また、シンガポールにおける皆様の活動、暮らしが引き続き安全で安心できるものとなるよう、今後とも情報提供等のサービスに心掛けてまいります。


最後に、皆様のご健康と一層のご発展を心よりお祈り申し上げまして、新年の挨拶といたします。



駐シンガポール大使 山中 誠